小規模宅地等の特例のくわしい説明
■小規模宅地等の特例の制度
相続又は遺贈によって取得した財産のうち、
・被相続人の事業のために使われていた宅地等
・住居として使われていた宅地等
について、課税価額を軽減するという制度です。
■特例が適用されるための要件
この特例が適用されるための要件は
①相続や遺贈によって取得した宅地等(土地だけでなく土地上の権利も含む)であること。贈与によって取得した宅地は含まれません。
②その宅地等が被相続人や、被相続人と生計を一にしていた親族の事業のため、または居住のために利用されていたもので、建物や構築物の敷地であること
■具体的な減額割合
〇グループ1:80%減額
・特定事業用宅地等である小規模宅地等(400㎡以下である必要がある)
後述の貸付事業を除く事業のために使用されていた宅地をいいます。
次の要件のいずれかを満たす被相続人の親族が、相続又は遺贈によってその宅地を取得すれば、特例の適用を受けることができます。
(要件1)相続税の申告期限までに、その宅地上で行われていた被相続人の事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を所有して事業を営むこと
(要件2)その親族が被相続人と生計を一にしていた者であって、相続開始から相続税の申告期限まで引き続き宅地等を所有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続きその宅地等で自己の事業を行っていること
・特定居住用宅地等である小規模宅地等(330㎡以下である必要がある)
これについても、次の要件のいずれかを満たす必要があります。
(要件1)その親族が、相続開始の直前にその宅地上に存在する被相続人の住居として使われていた建物に居住していた者であって、相続開始から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、その建物に居住していること
(要件2)次の3要件すべてを満たすこと
・相続開始前3年以内に日本国内にいる親族等が所有する家屋に居住したことがない
・相続開始時に、その親族が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有したことがないこと
・相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有していること
(要件3)その親族が、被相続人と生計を一にしていた者であって、相続開始の時から申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、相続開始前から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を住むために使用していること
・特定同族会社事業用宅地等である小規模宅地(400㎡以下である必要がある)
特例の適用を受けるためには次の要件のすべてを満たす必要があります
(要件1)被相続人やその親族等が有する株式の総数・出資の総額が、その株式・出資に係る法人の発行済み株式の総数・出資の総額の5/10を超える法人の事業のために用いられていた宅地等であること
(要件2)相続又は遺贈を受けた親族の中に、その法人の役員がいること
(要件3)相続開始の時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ申告期限まで引き続きその法人の事業のために使われていること
〇グループ2:50%
・貸付事業用宅地等である小規模宅地等
被相続人が、不動産貸付業や駐車場業等のために使用していた宅地のことをいいます。
次の要件のいずれかを満たす被相続人の親族が、相続又は遺贈によってその宅地を取得すれば、特例の適用を受けることができます。
(要件1)相続開始の時から申告期限までの間にその宅地等に係る被相続人の貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、その貸付事業のために使用していること
(要件2)その親族が被相続人と生計を一にしていた者であって、相続開始の時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を所有し、かつ、相続開始前から申告期限まで引き続きその宅地等を自己の貸付事業のために使用していること
この場合、
特定事業用宅地の面積の合計×200/400と、
特定居住用宅地の面積の合計×200/330と、
貸付事業用宅地の面積の合計
の三つの合計が200㎡以下である必要があります。
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